漫画家との違い

法廷で人物を描くにあたり、漫画家が人物を描くのと違う点は、人物をわざと魅力的に描いたり変にデフォルメして描いたりしないというところです。
まず漫画家が人物を描く場合、キャラクターを読み手に識別させるという意味でも、それぞれの特徴を出すことが重要となってきます。背が高い低い、目が大きい細いなど身体的な特徴や、自信が満ちあふれる感じや眠そうな感じなど表情などの違いを出してキャラクターを仕上げていくことは、そのビジュアルで「この人物はどんな考えを持っていて、こういう性格である」ということを示します。つまり漫画での人物画、「キャラクター」とは見た目そのものが、例えば髪の毛の色合い一つでも「元気な性格」であるとか「清楚な性格」であるとか「もの静かな性格」であるとか、見た目そのものが読み手に特定のイメージを与える記号になっているのです。
それに対して法廷画とは、テレビや新聞、雑誌など報道機関で世の中に出される、写真の代わりともいえる画像です。なので、例えば法廷に上がる人物が凶悪犯だからと言って変に悪人顔に描いたり、逆にとても反省しているからと言って、しょんぼりしている表情を強調して描いたりといったことは良くありません。あくまで見たそのままの表情や、動作を、そのままスケッチして世の中に伝えることが重要です。つまりその画の中に、自分の感情を盛り込まないことも大切なポイントなのです。

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